ソファ解体。真実はいつも裏側に隠されている
我が家で5年くらい使っていた3人掛けのソファ。
随分前からヘタってきていて、座ると沈む。座り心地は最悪だ。
片手で買えるくらいのもので、決して高級品ではない。
時には、子どもたちの遊び場となり、トランポリン化していたけど良く耐えてくれた。
この度、使命をまっとうし、引退の時を迎えた。
ソファ解体
自治体の決まりに従い、可燃ゴミとして出せるレベルまで細かく破断して、解体していく。
座面中央部のシーツはよれているが、それでも全体的に外側はがっちりと保護されている。どこから手を付けていいか分からない。
くまなくどこかに突破口がないかを探す。
これだ。背面と側面のシーツの継ぎ目が少しほどけている。
鉄壁に見えてもどこかにウィークポイントは存在する。
ここに指を突っ込み思い切り引き裂く。
見えてきた。ここから一気に切り崩す。
背面の皮を引き剥がした。
しかし、開けてみて良くわかるな、安い合板に細い骨組み。中はほとんど空洞ではないか…
作業は続いていく。
なんだこれは?
ダンボールまで材料で使っているのか?
これは有りなのか…?
座面の部分をひっくり返してみてみる。
裏側はこのトランポリンのゴムのようなものが張ってあって、そこにスポンジがのっているだけ。
ほぼ空洞だ。こんなところに座っていたなんて…。そりゃ沈むに決まっている。
なるほど、これがこのソファの真実か。
解体完了。
安っぽい作りだ。
削れるだけ削った設計にして、材料費を削減。
そして安い人件費を使って生産。そんな絵が浮かんだ。
何事にも、表と裏がある。表だけで判断してはいけない。
裏側を見るといい社会勉強になる。
自分自身の目で見ることで、やけに腑に落ちる。
最後に丸ノコで細かく切断。
ここからは、小1の次男にも手伝いとして片付けを一緒にする。
妻もやってきて、ちゃちな作りであったことを明かす。
感傷にふけて
「真実はいつも裏側に隠されている」というと、
「何マンガみたいなこと言ってるの?」
と返される。
真冬だけど、暖かい日差しに包まれながら、皆でこの思い出のソファの最後を見送った。