福袋は買うべきか?アクセサリーショップで働く女たちの裏話
毎年、この時期、ショッピングモールでは初売りと力を入れてセールを行なっている。
アクセサリーショップで働く妻も、例に漏れず、初売りの準備のため、通常の出勤より2時間も早い、朝7時半から駆り出される。
年末くらい、人込みを避け家でまったり過ごしたいが、アクティブな人も多い。
元旦から、うちの近所の大手ショッピングセンター、イオンもスタッフから警備員まで総出で事に当たっている。
このカオスの惨状を興味本位で見に行ってみようかと思うも、やはりそこまでの気にはならない。
初売りの福袋の中身
通常、定価10,000円から20,000円くらいのものが1000円から2000円売られる。
客はその内容とボリュームに期待し、ワクワク感を持って買いにくる。
ある夫婦は、旦那さんが奥さんに「帰って、何が入ってるか見るのが楽しみだね!」
「うん、楽しみ!」とウキウキして福袋を買っていった。微笑ましいかぎりだが…
そんな時、ショップ店員は複雑な心境だ……
なぜなら、商品は売れ残りの物ばかり。
福袋を仕込んでいる時も、
「店長、福袋の中身って型落ちのものばかりですよね…?」
「そうです。オブラートに包んで言って貰えてありがたいですが、これはxxですよ」
xxの部分は想像に任せたい。
特にいつも商品を見ている目の肥えたスタッフからすると、その型落ち感は半端なく感じているのだろう。
妻のママ友も買いに来たらしく、「辞めといた方がいいよ!」と言おうかと思った程だ。
福袋は買うべきではないのか
では福袋は買わない方が良いのか?福袋は買ってはいけないのか?
数年前の売れ残り商品ではあるが10個くらい入ったお得なアクセサリーである。
普段から見慣れているショップ店員からすれば、型落ちかもしれない。
だが、お客から見れば、新鮮な物に映るかもしれない。何より、1000円でこんなに沢山手に入った!と嬉しくなり、いい買い物だったと思うだろう。
あるいは、ラフな気持ちで期待を持たずに買う人もいるかもしれない。
古かろうが、デザインが良くその人が気に入ればそれでいい。
考えるのを放棄して、本質を見抜く力を養わなければ搾取の対象となりえる。
ただし、それは不幸であるとは限らないが。
あの福袋を買っていった夫婦。
帰って福袋を開けた時、幸せの花が咲いていただろうか…